【昔の遊び】外で子供たちはどんな遊びをしていたのか【死んだ父の記録より】

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五年前に死んだ父の遺品の中に、ノートが10冊ばかりあった

そのうちの前半部は昔の田舎の暮らしについての記録である。還暦を過ぎた頃から、昔を思い出しながら少しずつ書き溜めておいたものらしい。

そのなかに昔の遊びについての記述を多く見つけた。

めんこ、おはじき、ビー玉、けん玉、独楽、ベーゴマ、あやとり、釘さし、竹馬、竹とんぼ、鬼ごっこやそれに似た遊び等・・・
それらについては多くの文献があるし、ネットでも容易に見つけることができる。

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しかし、私の父の出身は宮崎県のなかでもかなりの田舎の方なので、上に書いたような遊びについての記述は少なく、あまり知られていない昔遊びが数多く記録されている。

現在では廃れてしまった、もはや当時の人の記憶のなかだけに残る昔の遊び。
ネットを介して伝える人も少ないだろうから、『昔の外遊び』として公開してみようと思う。

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昔の子供の外遊び

父の生まれは昭和18年、出身は宮崎県。
一帯の子供たちは、ほぼ農家の生まれ。
山に囲まれ、川が多く、田園地帯であることから、それにちなんだ遊びが多い。

父の記録をもとに、なるだけわかりやすいように手直ししている。

メジロとり

1024px-Zosterops_japonicus_01画像引用元:ウィキペディア

ツバキやウメの花が咲くころになると、山奥での食に貧したメジロが蜜を求めて人里に集まってくる。
これを、手塩にかけて育てた別のメジロをおとりにして捕まえる。メジロの縄張り争いの習性を利用したものである。

籠の中にはおとりのメジロ、籠の上には長さ50㎝ほどの細竹にトリモチを巻きつけたものを仕掛ける。

おとりのメジロが鳴くと、それを聞きつけた付近のメジロが近寄ってくる。上手くいけば、トリモチにメジロがひっかかり、くるっと回って逆さまになる。それをそっと手のひらで包んで用意してきたかごの中に入れ、風呂敷をかける。

狙うメジロは胸に金筋の入った雄であるが、用心深く、大抵は長時間、藪のなかで身を潜めてそのときを待つことになる。

あるとき、これは凄いというメジロがかかったことがあった。
ところが、バタついたために、羽にトリモチがついてしまった。それを取るために何を思ったか父は石油を使ったらしく、あくる日には死んでいたらしい。

「羽はまた生えてくるのだから、トリモチのついた部分を鋏で切ればよいだけだった」

と、そのときの無念さが記されている。

メジロの餌には、ハコベラやフダンソウをすり鉢で擂って与えた。
fuda9フダンソウとは、ホウレンソウに似たもの。不断草とも。ときには、大豆を煎ったものや卵の黄身なども混ぜた。

トリモチも自作。
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当時は薪用の雑木林が多く、その中にトリモチの木があった。
木の皮を剥いで持ち帰り、水のあるところで皮を石で叩いて細かくする。叩いているうちに粘り気が出てくるので、その部分を残すために何度も水洗いしながら木くずを取り除いていく。

今では動物保護の名目でこのような罠を仕掛けることは許されなくなってしまったが、実体験で鳥類の習性を知ることができたと締めくくっている。父は教師をしていたが、教え子たちにはこの体験を伝えていたようである。

蛙釣り

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1mほどの竹竿に、同じく1mくらいの木綿糸をたらし、先端にミゾソバの葉を揉んだものを括りつける。
ミゾソバは昔は水田地帯のどこにでもみられたもの。蕎麦に似ていることがその名の由来。

釣竿を田の畦や田んぼに下ろし、上下左右に動かす。
蛙はそれを虫と勘違いして飛びつく。

釣り上げられた蛙は一瞬だけ空中にさらされる、ただそれだけの昔遊び。
当時の少年たちの間で、普通の蛙はクソビキと言われ、たいして人気のある生き物ではなかった。

タカシロビキ(トノサマガエル)は捕まえる価値のあるものだったが、すばしっこく、一度も捕まえることができなかったらしい。

蜘蛛の喧嘩

あまり見かけることのなくなったコガネグモ(ジョロウグモのこと。当時はシマコブとも呼んだ)も、昔は、溝端の金竹、堤のアザミなどに巣を張っており、多く見られた。CA3F0400

そのジョロウグモを30cmくらいの竹棒に二匹這わるという、昔の遊び。
棒の両端から中央に向かって這わせるのであるから、真ん中で二匹が衝突、喧嘩になる。

長い脚と口が武器。
通常は弱いほうが糸を張って木の棒にぶら下がった状態になる。勝ったほうは糸を切って棒から落とす。

五分の戦いとなると、脚が絡み合い、口が相手の身体に食い込む熾烈な戦いとなる。
勝ったほうの蜘蛛は尻から粘膜を繰り出し、相手をぐるぐる巻きにしてしまうのだ。

ノートには『鹿児島では現在も行われているらしい』とあったので調べてみたら、確かにあった。
蜘蛛合戦、蜘蛛相撲と呼ばれているらしく、鹿児島県の加治木町で、年に一度『加治木くも合戦』という競技が開かれているということ。

父の育ったところは江戸時代は薩摩領であるから合点がいく。数少ない娯楽の一つだったのだろう。

ウィキペディアによると、鹿児島ではコガネグモを「ヤマコッ」と言うらしい。
コッは元はコブと呼んだのではないだろうか。私が子供のころ、大人たちは蜘蛛のことをコブと呼んでいた。

榎の実鉄砲

o0560031510278709571画像引用元:三宅島 沖倉商店さん

水鉄砲が水圧を利用したものなら、こちらは空気圧を利用したもの。
昔の遊びとして、竹を利用した水鉄砲と並び、少年たちに人気の鉄砲だったようだ。

篠竹(ニガコ竹)がシリンダー、押し棒で中に詰めた榎の実を飛ばす。

鉄砲に合う、乾いた竹を見つけるにはかなりの時間を要したようである。
首尾よく良質な竹を見つけ、上手に作ることができれば、「パーン」という破裂音とともに榎の実が飛び出す。

弾には、ショーノーの実、杉の実、センダンの実、ハゼの実なども使用された。

ハゼの実を使えば当然ハゼ負けをする。上級生にハゼの実で狙われて顔中ハゼ負けしたことがあるらしい。

ヒワの捕獲

Barbatamportada画像引用元:ウィキペディア

詳しい記述がないのだが、ヒワとは雀に似た黄色い鳥らしい。
雀が地味なのに対し、黄色く美しいことから、生け捕りの対象となったようだ。

捕獲する罠用に、馬の尻尾が使われた。
荷車を牽く馬の後ろに回り込み、ためらいながらも一気に数本引き抜くのである。

それをワサと呼ばれる輪っか状にして、捕獲用にこしらえた稲穂にいくつも取り付ける。
寄ってきたヒワは、行きつ戻りつしているうちにワサに足をとられて抜け出せなくなるという。

地罠という言葉も多く登場するのだが、どういったものなのか判然としない。
『赤い実を目印とした』とあるので、地面に置いた実でおびき寄せ、ワサで捕えたのかもしれない。

落葉した雑木林に仕掛けたというが、こんな罠にかかるのだろうかと首をかしげてしまう。
しかし、ヒヨドリ以外は罠にかけることができたらしい。

鶏の喧嘩

闘鶏のことであるが、所詮は子供たちの遊びなので、そこまで本格的なものではない。
父には弟がいるのだが、それぞれが十羽ばかりの雛の中から、将来強くなりそうな雛を選んで大切に育てる。

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鶏とはいえ、同じ親から生まれた兄弟を喧嘩させるのであるから、見分けがつかないようにしてあげなくてはならない。
そのために、鶏の顔にヘグロ(たき火でできた煤)を塗る。

見分けのつかなくなった鶏は喧嘩を始めるのである。

父は優先して、「これは」と思う雛を選ぶのであるが、弟に一度も勝つことができなかったと悔しがっていた。
これは叔父(父の弟)との酒の席での定番の笑い話になっている。

タマムシ取り

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図鑑や標本などで目にしたことのある人も多いだろう、文字通り玉虫色の美しい昆虫である。

私は生きているタマムシを見たことはないが、父が子供の頃は、近くの民家にあった榎で見られたようだ。
8月に差しかかろうかという暑い日(雨の日は×)、タマムシは榎の高いところを飛ぶ。
タマムシかどうかは、地面に映る影を見てわかるらしい。

まさか木に登って飛んでいるタマムシを捕えることはできないので、木の下で気長に待つ。
やがて、産卵するために降りて来たタマムシを捕えるのである。

滅多に見ないことから希少な昆虫だと思われるかもしれないが、夏に榎を見張っていれば、普通に捕まえることもできるらしい。

そういえば、昔、自宅の箪笥からタマムシの死骸が出てきてギョッとしたこともあった。
金持ちになるためのおまじないみたいなものだった気がする。


 

まだまだ書ききれません。
ほかには、水にちなんだ遊びや、水棲のものの捕え方についての記述が多いです。
それらについては、また別の機会に書き起こしてみようと思っています。

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